表紙
薄いガラスのケースに閉じ込められた風景。覗き込んでみると地面は木のカケラが積み重ねられたものです。家や風車は紙でできていて、細いペンで窓やドアやレンガの模様が描き込まれています。山の中なのか木もたくさん生えています。それらにはキラキラと輝く白銀の雪が降り積もり、静かでロマンティックな風景を描いています。猪熊はこの置物をパリで求めたと記していますから1938年から40年の間に手に入れたことになります。それからおよそ50年、今にも壊れてしまいそうに華奢なこの置物を猪熊夫妻はどんなに大切にしていたのでしょうか。 |
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