猪熊弦一郎展 デフォルマシオン Genichiro Inokuma: Déformation
会期:2021年9月18日(土)-12月5日(日)
9月18日(土)から9月30日(木)まで臨時休館
休館日:月曜日(9月20日は開館)、9月21日(火)
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
◎観覧料
一般 300円(240円) 大学生 200円(160円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
*( )内は20名以上の団体料金(企画展料金は別途)
「デフォルマシオンということは、どこまでも必要に迫られて起こってくるある形である。」
(猪熊弦一郎「デフォルマシオン問答」『美術手帖』1949年5月号、p.27)
猪熊弦一郎(1902-1993)は、その画業の初期は写実的な絵画を描いていましたが、しだいに新たな表現を求め、モチーフを変形して描く「デフォルマシオン」の方法を取り入れるようになります。猪熊は、「デフォルマシオン」とはでたらめに形を変えればよいというのではなく、画面のバランスから必然的に生まれる、意識的な変形であると考えました。本展では、こうした変形による表現の探求に焦点を当て、戦前から1955年の渡米までに描かれた作品をご紹介します。
展示室Aでは、1950年頃までの主に単独の人物像を展示しています。猪熊は人体の造形美に魅かれ、大学卒業後、フランス遊学中、戦後など、時期によって異なる画風でモデルや身近な人物を描きました。身体の比率を変えたり、省略したり、図形的に描いたりと、様々な変形を取り入れましたが、何よりも大事にしていたのは画面全体の造形的な秩序でした。
展示室Bでは、1950年から渡米までの作品を展示しています。この頃、人のほかにも猫、鳥、魚といったモチーフが登場するようになります。異なる形のモチーフを組み合わせるとともに、より大胆な変形も取り入れ、複雑でありながらも秩序をもった画面をつくり上げました。
身近なものの形にとことん向き合ったこの時期の画業は、その後、ニューヨークで抽象を開花させるための礎ともなったと言えるでしょう。新しい絵画に向かう猪熊の、形への飽くなき挑戦をどうぞご覧ください。
- 《自画像》1921年、油彩・カンヴァス、60.5×50.2
- 《裸婦》1925年、油彩・カンヴァス、100.0×80.5
- 《裸婦立像》1933年、油彩・カンヴァス、161.0×128.7
- 《籐椅子の女》1935年、油彩・カンヴァス、145.6×112.5
- 《コスチューム立像》1936年、油彩・カンヴァス、72.5×52.7
- 《セロを弾く男》1939年、油彩・カンヴァス、60.8×45.7
- 《セロを弾く男》1939年、インク・紙、19.2×12.4
- 《題名不明》1940年頃、油彩・カンヴァス、80.7×60.0
- 《ピエタ》1940年、油彩・厚紙、34.8×27.0
- 《ヴィナス誕生(B)》1940年、油彩・カンヴァス、80.5×64.0
- 《浴女》1940年、油彩・コンテ・カンヴァス、80.5×64.5
- 《裸婦》1943年、油彩・鉛筆・カンヴァス、60.0×49.6
- 《黄色いスカートの婦人》1946年、油彩・カンヴァス、80.5×64.5
- 《臥裸婦》1948年、油彩・カンヴァス、65.5×80.4
- 《青い服》1949年、油彩・カンヴァス、79.0×64.5
- 《裸婦と猫》1949年、油彩・カンヴァス、72.6×61.0
- 《バレリーナの夢想》1950年、油彩・カンヴァス、131.0×162.0
- 《猫と子供》1951年、油彩・カンヴァス、92.0×65.5
- 《立てる群像》1951年、油彩・カンヴァス、131.5×162.4
- 《座せる群像》1951年、油彩・カンヴァス、131.2×162.5
- 《猫と食卓》1952年、油彩・カンヴァス、73.0×61.0
- 《魚と猫と少女》1952年、油彩・カンヴァス、72.4×60.2
- 《猫と住む人》1952年、油彩・カンヴァス、130.8×193.5
- 《猫達》1952年頃、油彩・カンヴァス、90.5×116.5
- 《猫によせる歌》1952年、油彩・カンヴァス、181.5×259
- 《題名不明》年代不明、油彩・カンヴァス、91.0×115.5
- 《題名不明》1954年、油彩・カンヴァス、72.4×90.5
- 《題名不明》1954年頃、油彩・カンヴァス、24.0×33.1
- 《子供と猫》1955年、油彩・カンヴァス、45.3×38.0