猪熊弦一郎展 小さな丸 Genichiro Inokuma: Small circles
会期:2023年3月21日(火•祝)-6月4日(日) 休館日:月曜日
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
◎観覧料
一般 300円(240円) 大学生 200円(160円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
*( )内は20名以上の団体料金(企画展料金は別途)
◎概要
猪熊弦一郎(1902-1993)は、画業の初期から50歳過ぎまで、主に人をモチーフとした具象画を描いていました。ところが、52歳で渡米してニューヨークに活動の拠点を移すと、画風が一変し、抽象画を描くようになります。晩年になると、ふたたび人や動物などの具象物が画面にあらわれ、さまざまな抽象形態と具象形態が、それぞれに面白い「かたち」として、絵の中に共存するようになりました。
生涯を通じて、自分にしかかけない「美しい絵」を追求した猪熊でしたが、環境や時代に影響されたり、新しいものや変化を受け入れる柔軟な性格も相まって、節目節目で画風をガラリと変えたため、異なる時期の作品を隣り合わせると、同じ画家の絵には見えないかもしれません。一方で、どの時代においてもあちらこちらにあらわれる、ある種のクセのような、猪熊らしい描き方もあります。
その一つとして、今回の常設展示では、猪熊の絵のなかの小さな丸に注目しました。すみずみまでじっくり見ないと見過ごしてしまいそうなささやかな「かたち」ですが、この小さな丸が、動きやリズム、軽さ、バランスなど、いろいろな作用を絵に与えています。小さくても、あるとないとでは大違いなのです。明るく楽しい「猪熊らしさ」を形づくっている表現方法の一つと言ってよいでしょう。
- 1.《自画像》1921年、油彩・カンヴァス、53.5×45.5
- 2.《題名不明》1938年、油彩・厚紙、33.2×22.0
- 3.《ミシンと子供》1940年、油彩・厚紙、32.8×23.9、宇賀和子寄贈
- 4.《婦人と猫》1949年、油彩・カンヴァス、80.0×64.1
- 5.《ヴィオロンと女》1940年、油彩・カンヴァス、80.6×60.4
- 6.《建築と裸婦》1990年、アクリル・カンヴァス、126.5×96.0
- 7.《臥裸婦》1948年、油彩・カンヴァス、65.5×80.4
- 8.《魚と猫と少女》1952年、油彩・カンヴァス、72.4×60.2
- 9.《黄色の隣区》1986年、アクリル・カンヴァス、111.5×96.0
- 10.《猫と烏》1954年、油彩・カンヴァス、80.2×99.7
- 11.《題名不明》1991年、インク・紙、52.2×44.7
- 12.《鳥と遊ぶ子供達》1954年、油彩・カンヴァス、193.5×130.0
- 13.《二つのヴィナス》1989年、アクリル・カンヴァス、194.0×130.3
- 14.《からす》1953年、油彩・カンヴァス、130.0×194.0
- 15.《No.1 星からの手紙(ラブ)》1983年、アクリル・カンヴァス、200.0×250.2
- 16.《Landscape EV》1972年、アクリル・カンヴァス、203.0×178.0
- 17.《並木道》1964年、油彩・カンヴァス、152.5×101.5
- 18.《都市計画》1962-63年、油彩・カンヴァス、203.5×177.6
- 19.《Black Circle》1964年、油彩・カンヴァス、152.8×152.4
- 20.《PINK CITY NO.3》1966年、アクリル・カンヴァス、127.1×127.0
- 武田薬品工業株式会社 蔵(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館寄託)
- 21.《Landscape QR》1966年、油彩・カンヴァス、126.8×127.1
- 22.《Blue Streets》1966年、アクリル・カンヴァス、171.9×98.9
- 23.《Manhattan "B"》1967年、アクリル・カンヴァス、203.7×152.6
- 24.《City Planning Yellow No.1》1968年、アクリル・カンヴァス、152.0×153.0
- 25.《The City (Green No.2)》1968年、アクリル・カンヴァス、203.0×178.0
- 26.《無重力地帯 (X)》1983年、アクリル・カンヴァス、152.0×182.0