猪熊弦一郎展 人や動物や物々 Genichiro Inokuma: People and Animals and Objects
会期:2024年6月30日(日)-9月23日(月・祝)
休館日:月曜日(ただし7月1日、15日、8月5日、12日、9月2日、16日、23日は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
◎観覧料
一般 300円(240円) 大学生 200円(160円)、高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
*( )内は20名以上の団体料金(企画展料金は別途)
「私の身体の中に住んでいるあらゆる人や動物や、物々が、次々、おれから描いてくれと言って、列を作って待っているのである。」*
人や動物などの生きものをはじめ、様々なモチーフを絵画に表した猪熊弦一郎(1902-1993)の初期から晩年までの画業全体をご紹介いたします。
猪熊は東京美術学校(現東京藝術大学)在学中からパリに滞在していた頃は主に人物像を多く描きましたが、しばしば動物たちの姿も捉えています。さらに1950年頃からは、人とともに猫たちが重要なモチーフとして描かれます。多い時には10匹以上の猫と共に暮らしていた猪熊は、人の都合などおかまいなしに自由闊達に過ごす彼らの姿に魅了されていました。
その後、1955年にニューヨークに渡ると、カンヴァス作品は抽象的な表現へと変化しますが、『小説新潮』の表紙絵のための作品には、ニューヨークに生きる人々や、犬や馬など人と暮らす動物の様子が描かれました。そして、東京とハワイの二拠点で活動していた1975年以降には、動物や植物、あるいは機械のような不思議な形態が画面に登場するようになります。さらに晩年には、再び具象的なモチーフが画面に戻り、人や鳥、猫、犬などの生きものや、その他の様々なモチーフが一つの画面の中で共存するような表現となります。
生涯を通して、「あらゆる人や動物や物々」にまなざしを向け、豊かに描き出した猪熊。それぞれのモチーフが優劣なく息づく猪熊の絵画は、多様な存在を見つめることへの示唆を私たちにも与えてくれるでしょう。
*猪熊弦一郎「常識を越えた時」『猪熊弦一郎の世界展 Guén Inokuma』、株式会社三越、1990年
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