マルティーノ・ガンパー(1971年イタリア出身、ロンドン在住)は、美術とデザインの領域を越えて活動を続け、2007年に発表された「100 Chairs in 100 Days(100日で100脚の椅子)」は大きな話題となります。ロンドンの路地や友人の家から使われなくなった椅子を集めて組み立て直し、1日1脚、100日で100脚の詩的でユーモア溢れる椅子がつくられました。これまで世界各地を巡回し、100脚目の椅子はそれぞれの場所で新たに制作されています。本展でも丸亀の椅子を使って、まだ見ぬ100脚目が展示されます。
見つけた椅子の素材、構造、デザイン、そして1日という限られた時間——見方によっては制約ともいえる様々な要素を可能性に変換してつくり上げた100脚の椅子は、彼の思索と実験の集積ともいえます。新たな方法論を探るガンパーの椅子はデザインや機能だけでなく、その奥に潜むそれぞれの物語をもみせてくれるでしょう。
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