MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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1. いわさきちひろ《夏の宵の白い花と子ども》1969年
2-9. 丸亀市立資料館開催「ピエゾグラフによる いわさきちひろ展 子どもたちへのまなざし」関連「ちひろの水彩技法を体験しよう!」の様子

小・中学生向けワークショップ 丸亀市立資料館開催「ピエゾグラフによる いわさきちひろ展 子どもたちへのまなざし」関連 ちひろの水彩技法を体験しよう! Let's experiment with CHIHIRO's technique !

画家いわさきちひろの水彩技法にならって「にじみ」をつくる方法を体験し、それを使ってカードと缶バッジをつくりましょう!

子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家として知られる、いわさきちひろ(1918−1974)。にじみやぼかしを生かした独特な水彩画は透明感にあふれ、いのちの輝きや平和の大切さを語り続けています。今回、長野県の安曇野ちひろ美術館から学芸員の松方さんを講師にお招きし、いわさきちひろが作品に用いた水彩技法を体験しながら、オリジナルのカードと缶バッジをつくるワークショップを開催します。


いわさきちひろについて】
1918年、福井県武生市(現・越前市)に生まれ、東京で育つ。藤原行成流の書を学び、絵は岡田三郎助、中谷泰、丸木俊に師事。1949年、紙芝居『お母さんの話』を出版、翌年文部大臣賞受賞。1950年松本善明と結婚、翌年長男猛を出産。1952年、下石神井 (東京・練馬)に自宅兼アトリエを建てる。1956年小学館絵画賞、1961年産経児童出版文化賞、1973年『ことりのくるひ』(至光社)でボロー ニャ国際児童図書展グラフィック賞等を受賞。1974年死去、享年55歳。(詳しくはこちらをご参照ください)


*本ワークショップは、丸亀市立資料館にて2013年7月27日(土)から開催される「ピエゾグラフによる いわさきちひろ展 子どもたちへのまなざし」に関連し、丸亀市立資料館・丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・丸亀市立図書館の3施設による協力事業の一環としておこないます。

日時:2013年7月27日(土)
  〈午前の部〉10:00-12:00〈午後の部〉13:00-15:00
場所:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2階造形スタジオ
講師:安曇野ちひろ美術館 学芸員 松方路子
対象:小・中学生
定員:各回30名
参加料:無料
申込:必要
申込締め切り:7月16日(火) 必着*申込受付は終了しました(展覧会開催場所は丸亀市立資料館ですが、ワークショップのお申し込み先および会場は美術館ですのでご注意ください)

応募者数:106名(午前午後合算)
参加者数:〈午前の部〉33名〈午後の部〉30名
見学者数:〈午前の部〉23名〈午後の部〉17名

主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団、丸亀市立資料館

1. いわさきちひろ《夏の宵の白い花と子ども》1969年
2-9. 丸亀市立資料館開催「ピエゾグラフによる いわさきちひろ展 子どもたちへのまなざし」関連「ちひろの水彩技法を体験しよう!」の様子

◎材料・道具
水、水彩絵具、画用紙、色画用紙、バッジ台、バッジフィルム、バッジ製作機具、鉛筆、筆、刷毛、ティッシュ、ドライヤー、鉛筆、はさみ、糊
 
◎レポート
【1】
まずは講師の松方路子さんから、画家いわさきちひろについての紹介と、絵本「ぽちの きた うみ」(作・絵いわさきちひろ/至光社/1974年)の読み聞かせをしていただきました。(画像2)

【2】
続いて、いわさきちひろが作品に使っていた技法、「にじみ」についての説明と、実際にどんなふうに「にじみ」をつくるのか、デモンストレーションをしました。画用紙に刷毛で水をたっぷりのせ、その上に赤・青・黄の水彩絵具を筆でポトポトとたらしたら、画用紙を斜めにしたり、ティッシュで吸い取ってみたりして、「にじみ」が出来る行程を実演。皆さん、講師の手元を真剣に見ていました。(画像3.4)

【3】
いよいよ皆さんが「にじみ」をつくる番です。はじめに画用紙にのせる水の量や、たらす絵具の量、画用紙の動かし方や乾かし方で、皆さんそれぞれ、ふたつとして同じものの無い「にじみ」ができていました。(画像5.6)

【4】
「にじみ」をつくった画用紙が乾いたら、丸い穴の開いた台紙(講師の松方さんは「にじみスコープ」という名前で呼んでいました)を隅々まであててよーく見て、「ここが1番素敵」と思うところを一カ所だけ選んで切り取り、専用の機具でバッジにします。バッジ製作機具は、扱いが難しいのでスタッフが作業しました。(画像7)

【5】
バッジにした部分以外にも、素敵な「にじみ」がたくさん残っていますので、それを好きな形に入りとって色画用紙に貼り、カードをつくりました。シャボン玉や花火、宇宙等をイメージしてつくる子や、具体的なイメージを決めずに直感で切り取って配置していく子、皆さんやり方は様々で、たくさんのバリエーションのカードがどんどん出来上がっていきます。(画像8)

【6】
完成したバッジとカードです。赤・青・黄の3つの色しか使っていないのに、その間にうまれる無限のグラデーションによって、驚くほど表情豊かな作品が完成しました。出来上がったバッジを、大事そうに洋服やバッグ等につけて帰る子、そして自分が小さい頃読んだいわさきちひろの絵本の思い出を懐かしそうに講師とお話しする親御さんもいらっしゃいました。皆さん思い出深い一日を過ごせたのではないでしょうか。(画像9.10)