MIMOCA NEWS 003



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このコーナーでは、美術館で働く人にインタビューし、普段なかなか知る機会のないその仕事内容をご紹介します。今回は、清掃業務担当、ハウス美装工業の高島 亨さんにお話をうかがいました。


Q.「美術館」ということで、他の施設の清掃と違う点がありますか?

A.「観覧する」という環境への配慮として、展示室の清掃は開館前に行います。開館中はできるだけ展示室内のお客様の目に触れないように、また、においや音、ほこり、特に相対温度(水分)に気を配っています。


Q.いつもきれいな美術館ですが、これを保つのはたいへんでしょう?

A. 展示室は全て、毎日掃除しています。また、床はゴミが落ちて汚れやすいので、普段から館内は下を向いて歩いています。あと、ガラスのくもりや汚れも気にしています。
企画展開催中は無休なので、気になるところがあっても時間をかけた作業はなかなかできません。そうすると、1、2ヶ月たってやっと休館になったときには、汚れが落ちにくくなっていて少し苦労することもあります。


Q.開館前に展示室全部掃除するということは、朝が早い? 何人で作業されているのですか?

A. 勤務時間は朝8時から夕方4時20分までです。スタッフは全部で7名、交代でお休みしますから1日5〜6名で業務にあたります。


Q.ここを見てほしいというような場所がありますか?

A. トイレを清掃中に、お客様から「いつもきれいにしてますね」と声を掛けられたことがあります。そういうふうに見てもらえたときはとても嬉しいですね。


Q.一番印象に残った展覧会は?

A.「野々村仁清展」です。作品もすばらしかったし、お客様も多くて1日に何千人と入った日もありました。そういうときは、やはり汚れもすごくて、その期間は増員して朝もいつもより早出で業務を行いました。あと、「ティンガティンガ展」も大勢のお客様が来られていて印象深いです。


Q.最後に一言。

A.美術館は換気や温度など環境が整備されていますから作業しやすく恵まれた職場だと思っています。またそれ以上に、この猪熊美術館という職場で働くことに誇りを持ち、愛情を持って業務にあたっています。目の届く範囲は出来るだけ気をつけていますが、みなさんも気がついたことがあればいつでも気軽に声をかけてください。


<インタビュアー感想>

冬、木枯らしの中でいつもとかわらず水拭きされている姿には本当に頭が下がります。高島さんら清掃業務スタッフの、美術館とお客様への愛情も、この居心地よい空間の一部をなしているとあらためて感じました。





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