MIMOCA NEWS 003


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●壁画の秘密●

美術館の正面にあり、その「顔」ともいえる、幅21.57m高さ11.5mの大きな壁画。
「創造の広場」と名付けられたこの壁画は、猪熊弦一郎の手によるものです。美術
館の設計に携わった谷口吉生氏から「美術館の看板になるものを」という提案を受
けた猪熊が自ら原画を描きました。
 

「創造の広場」 1991 猪熊弦一郎
駅前から眺めると、美術館の正面はま
るで1枚のカンヴァスのように見えます。
人間や動物たちの素朴な線画と大きな
空白の取り方が絶妙のバランスをもって
いるこのユニークな「看板」が、美術館に
来られる方々をいつもお迎えしています。
 
しかしこの壁画に近づいて見たことのある人は意外と少ないのではないでしょうか。
近づいて触れてみるとすぐにわかるのですが、実はこの壁画は顔料を「塗った」も
のではありません。ギリシャ産の白大理石に猪熊が描いた原画の線を彫り込み、
その溝に黒い石を砕いてセメントとねりあわせたものを「埋め込んで」いるのです。
ですから顔料が色落ちすることもありません。
また、壁画には滴が落ちたような黒い点がありますが、これは制作の過程で遊び
心ある猪熊が顔料を散らしたものを忠実に再現しています。
展覧会を見終わった後、この壁画をじっくり眺めてみるのも楽しいかもしれません。
さて、他にはどんなものが描かれているでしょうか?
 




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