この本ではミロ(1893-1983、バルセロナ生まれ)の夢であった広いアトリエの写真を |
たくさん見ることができます。それは1956年、地中海に浮かぶマヨルカ島にミロの親 |
友であったジョゼ・ルイス・セルトの指揮のもと建てられました。整然と筆が並ぶパレッ |
ト代わりのテーブルと色とりどりの床のシミ、大事にしていた家具職人用の仕事台、ミ |
ロが散歩の途中に見つけて拾い集めたモノたちや様々な土地の民芸品・・・それらに |
囲まれた中で静かに制作のための思索にふけるミロの姿。 |
彼はその時間を過ごす中で作品制作に必要な《出発点》を探していたのです。小さな |
キッカケは確かな着想となり、きらめく光を放つ色と詩的なリズムを奏でる線によって |
描かれていったのです。 |
ひそやかに探した《出発点》をたずさえて、6月9日からの展覧会『ミロ―マヨルカ島の |
光の中で』を訪れる、というのはどうでしょう? |