MIMOCA NEWS 010



exhibition
猪熊弦一郎展―ニューヨークからの発信
2004年6月6日(日)7月19日(月・祝)会期中無休

猪熊にとって1955年の渡米は、抽象画家への転身を遂げる大きなきっかけとなりました。20年間の滞米中、計10回の個展を所属作家の一員としてウィラード・ギャラリーで発表しています。同ギャラリーは1936年、マリアン・ウィラードによって設立され、マーク・トビー、ウィリアム・グレイブス、ライオネル・ファイニンガー、タダシ・サトーなどがその所属作家として名を連ねていました。また、彫刻家のデイヴィッド・スミスも所属作家であった時期があり、猪熊の初めての個展はちょうどスミスの個展と入れ替わりで開催されています。猪熊の日記によれば、作品搬入の時、スミスは1人で作品を片付けており、文子夫人が手伝いをして喜ばれた(1956年4月2日)とあります。残念ながらこの画廊は猪熊が帰国してから閉じてしまったため残っていませんが、建物はニューヨーク市の23ウェスト56ストリートに現存しています。
次回の展覧会は、ここでの発表作品を中心に、猪熊のニューヨークでの作品の変遷をご紹介したいと思います。

ウィラード・ギャラリー外観




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